冷え症の症状・対策

腰痛の原因は「冷え」?この時期から気を付けたい4つの「冷え腰痛」対策(後編)

腰痛の原因は「冷え」かも……「冷え腰痛」の見分け方

「なんだか腰が痛い……」冬になると、腰痛で苦しむ人が増える傾向にあります。そんな「腰痛持ち」の皆さん、その痛みの原因、特定できていますか?

お風呂に入り体が温かくなると、腰の痛みが楽になる、という人。このようなタイプは、冷えが増悪させる腰痛だと考えられます。

寒い季節特有の冷えによって悪化する腰痛対策は、当然のことながら「冷やさないこと」が重要です。そこで、簡単に実践できる腰痛対策の中から、効果の高いものをいくつかピックアップしてみました。

衣服での対策

下半身を冷やさないことがポイントなので、服装はパンツスタイルがおすすめです。スカートをはく場合には、必ず厚手のタイツやスパッツを併用しましょう。

足元はパンプスやヒールよりもブーツなどの保温に適したものを選ぶことがポイントです。足をめぐった血液は、心臓に戻るまでの過程で腰の付近を通ることになるので、足が冷えれば腰も冷え、しいては体全体が冷えてしまうことになりかねません。

また、最近ではさまざまなタイプの腹巻きも販売されています。着用するとかなり暖かいので、腰痛持ちの間でも好評のようです。

もともと冷えやすい人は、上記のような重ね着や厚着をしても、なかなかあたたまらないこともあります。その場合、使い捨てカイロや温熱パットを利用するのもいいでしょう。

食事での対策

ダイコンやゴボウ、アサリなど体の熱を冷ます食べ物はできるだけ控え、体を温める食べ物を積極的に摂るようにします。

体を温める食べ物とは、たとえば肉類なら鶏肉、魚介類ならイワシやエビ、カツオなど。野菜であれば生野菜を食べるのではなくスープや鍋などにしてカブ、ニラ、ショウガ、ニンニク、カボチャ、ネギの白い部分などをメインに入れるといいでしょう。また、これらの体を温める食材には、味噌仕立ての味付けがおすすめです。

普段の飲み物も、糖分の多い清涼飲料水や緑茶、ウーロン茶、麦茶、牛乳、コーヒーなどは体を冷やす傾向にあるようです。冬場は紅茶やジャスミン茶、ココナッツミルクなどを、できればホットで飲むようにしましょう。お酒なら赤ワインや日本酒、紹興酒がいいようです。

仕事での対策

デスクワークや立ち仕事など同じ姿勢が続く場合、寒冷な場所である・ないに関わらず、体の筋肉を緊張させ、血行不良になってしまいがちです。定期的に体を動かすよう意識して、こまめに筋肉のコリをほぐす習慣をつけるようにしましょう。

同じ姿勢で作業するのは1時間までが目安です。1時間作業したら、一度は席をはずして体を動かすようにしましょう。腰や臀部の周辺の筋肉をほぐすため、上半身を前に折り曲げて延ばすストレッチなどがオススメです。

入浴での対策

「面倒だから」とシャワーで済ませることが多い方は、できるだけお湯に浸かる日数を増やすことが必要です。シャワーだけでは体が十分に温まらず、冷えを貯め込む原因となります。

一方で、これは男性に多く見られますが、熱いお風呂に入るのが好きな人、要注意です。熱いお湯は、体の表面を急激に温めるだけで、お風呂から出るとすぐに体温は下がってしまいます。

一番いいのは、ぬるめのお風呂に時間をかけてゆっくり浸かること。体が芯から温まり、筋肉のコリもほぐれやすくなります。毎回が難しければ、週に1〜2回「じっくりお風呂タイム」を設けるようにしたいものです。

日常生活での対策で「冷え腰痛」を撃退!!

いかがでしたか? これから寒さが厳しくなる季節となりますが、寒さ対策をしないでいると、冷えから起こる腰痛は改善されません。逆にいえば、体の内・外からきちんと温めることで、腰の痛みを撃退できるかもしれない、ということです。

これからクリスマス、お正月などイベントが続き、年末には仕事も多忙を極めることでしょう。忙しいからと腰痛を放っておくと、日常生活で支障をきたしてしまうかもしれません。

寒い時期のつらい腰痛には、日常生活のさまざまな面から対策を行っておくようにしましょう。

神藤 慧玲 監修医師紹介

神藤 慧玲(しんとう・えり) 御苑アンジェリカクリニック院長

略歴
千葉大学医学部卒業/千葉県・東京都内大学病院、都内総合病院、慶愛クリニック・慶愛大木クリニック、北里研究所東洋医学研究所研修を経て御苑アンジェリカクリニックを開院。/日本抗加齢医学会(アンチエイジング学会)専門医/東洋医学会・日本ペインクリニック学会 会員/麻酔科標榜医・日本麻酔科学会 指導医

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